デザイン料金の決め方|制作費の相場と見積もりの考え方

デザイン料金は、どのように設定していますか?

他のデザイナーの料金を調べて、同じくらいにしている。まだ経験が浅いので、少し安くしている。はっきりした基準がなく、依頼が来るたびに迷う人もいると思います。

僕は、仮に制作を外注しても、利益が残る料金にしています。

自分で作れば受けられるけれど、人に頼むと赤字になる。その価格では、仕事が増えても、ずっと自分で作り続けるしかありません。

今は一人で仕事をしていても、料金を決めるときには「この仕事を誰かに頼んだら、いくら残るか」を考えておく。そうすると、なんとなく決めていた金額を見直しやすくなります。

デザイン料金の相場は、金額だけを見ても分からない

料金に迷ったとき、相場を調べるのは自然なことです。ただ、他の人と同じ金額にすればよいとは限りません。

たとえば、同じチラシ一枚でも、原稿と写真を受け取ってデザインする仕事と、お客様の話を聞いて文章から考える仕事では、手間が違います。

写真を探すのか、撮影もするのか。デザインは一案なのか、複数案を出すのか。こうした条件によって、必要な費用は変わります。

ホームページも同じです。用意された内容をページにするのか、何を載せるかという相談から引き受けるのかで、仕事の量は大きく違います。

そのため、相場を調べるときは「いくらか」と一緒に、「その料金で何をしてくれるのか」を見ます。自分と近い内容の仕事を比較して、初めて参考になります。

安い料金だけをまねて、対応することはどんどん増やしてしまう。これでは、仕事を受けるほど苦しくなってしまいます。

自分で作る時間を、無料にしない

自分で制作していると、外注費はかかりません。そのため、材料費などを引いてお金が残れば、利益が出ているように感じます。

でも、そこには自分が働いた時間が入っています。

たとえば、5万円の仕事に、打ち合わせから納品まで20時間かかったとします。売上を時間で割ると、1時間あたり2,500円です。ここからソフト代などの経費も出すので、2,500円がそのまま手元に残るわけではありません。

制作時間だけで考えていると、メールのやり取りや修正、確認に使った時間を見落としがちです。

「お金は減っていないけれど、時間はなくなっている」。一人で制作していると、この状態に気づきにくいのです。

そこで、同じ仕事を外注した場合を考えてみます。求める品質で作ってもらうために必要な費用を調べると、自分が引き受けている作業にも、それだけの価値があると分かります。

外注しても利益が残る料金にするのは、仕事を人に任せるためだけではありません。自分の作業を安く見積もりすぎないための基準にもなります。

外注費に、自分の仕事分と利益を加えて考える

外注した場合の料金は、難しい計算から始めなくても大丈夫です。まずは、必要な費用を順番に足してみます。

以下は、考え方を説明するための仮の金額です。すべて税抜とします。

内容金額
デザインを外注する費用60,000円
自分が打ち合わせや確認をする仕事分20,000円
素材代や、この案件で負担する経費10,000円
費用を払ったあとに残したい利益30,000円
お客様に提示する制作料金120,000円

外注費が6万円だから、8万円で受ければ2万円の利益になる。そう考えたくなりますが、外注後も自分の仕事は残ります。

お客様の要望を整理する。外注先に説明する。出来上がったものを確認する。修正内容をまとめる。こうした対応にも時間を使います。

その仕事分と経費を確保したうえで、利益を残す。上の例では、それを足した金額が12万円です。

自分の仕事分は、想定する時間に、仕事として確保したい1時間あたりの金額を掛けて考えられます。たとえば5時間の対応で2万円を確保したいなら、1時間あたり4,000円という計算です。

もちろん、12万円なら必ず売れるという話ではありません。お客様が、その内容に12万円の価値を感じるかも考える必要があります。

必要な料金と予算が合わなければ、制作内容や進め方を見直します。利益が残らないと分かっているのに、同じ内容で安く受け続けるのは避けたいところです。

見積もりには「この料金で何をするか」を書く

料金を決めたら、どこまで対応するかも一緒に決めます。

「チラシ制作一式」とだけ書くと、文章も作ってもらえると思う人もいれば、何案でも見せてもらえると思う人もいます。お互いの認識が違うまま始めると、予定していなかった作業が増えてしまいます。

たとえば、「A4片面、原稿と写真はお客様から支給、デザイン一案、修正二回、印刷用PDFで納品」と書けば、仕事の範囲が分かります。印刷代が別なら、それも記載します。

また、文字の差し替えと、決まったデザインを最初から作り直すことは、同じ修正ではありません。大きな変更は追加見積もりになることを、先に伝えておくと話が進めやすくなります。こちらのミスを直す対応は、それとは分けて考えます。

予算を下げたいと言われたときも、金額だけを下げる必要はありません。文章を用意してもらう、制作する点数を減らすなど、作業を減らせる方法を提案できます。

相手の予算に合わせるなら、対応する内容も合わせる。そのほうが、無理なく納品でき、お客様にも何を頼めるのかが伝わります。

デザイン料金に迷っているなら、今受けている仕事を一つ選び、外注費、自分の対応に必要な費用、経費を書き出してみてはいかがでしょうか。

受注金額からそれらを引いて、いくら残るのかを確かめる。ほとんど残らないようなら、次の見積もりでは料金を見直すか、含める作業を減らすか、そのどちらかを具体的に考えてみてください。

投稿者プロフィール

城岡 崇宏
城岡 崇宏
Webデザイナー・ビジネスプロデューサーとして、これまで600店舗以上の集客・ブランディングを支援してきました。ホームページやLP、広告クリエイティブなどの企画・デザインから、集客戦略、導線設計まで幅広く手がけてきました。見た目の美しさだけではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」を大切にしています。現在は、デザインを仕事や売上につなげるための実践的なノウハウを発信しています。
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